Services — 戦略策定 1-5

政策・技術変化を起点とした業界再編に対応するM&A/ロールアップ戦略

—

構造変化を捉え、買収・統合による新たな競争力を設計する。

背景と課題

政策や技術の変化を受けて、同業他社の買収を考えている。けれども、統合した後にどの機能を共通にし、どんな価値を生むのかが、まだ見えていない。規模を大きくすることだけを目的にした買収では、各社の強みを活かしきれず、統合で生まれる価値も限られます。どの事業基盤を取りに行くのか、統合後の競争力は何に由来するのか。買う前に設計しておく必要があります。

再編が価値につながりにくい理由

  • 今の制度や商習慣の中で考えると、再編で生まれる機会が見えません。 新しい市場では、評価の基準がまだ決まっていません。制度や技術の前提がどこで変わるかを読まないと、どの事業基盤が重要になるかが分かりません。
  • 候補を挙げても、戦略への適合と買収の実行可能性を分けずに評価すると絞り込めません。 事業基盤の補完関係が強くても、株主構成や取得の条件で実行できない候補があるためです。
  • 1件ごとの回収を確かめる投資基準だけでは、複数の買収を順に重ねる再編を判断できません。 どの順で取得し、統合の費用をどこまで負担し、資本をどう配分するかが問いに上がらないためです。
  • 買収対象の中にある、事業継続の合理性が検証されていない事業を、効率化の対象としか見ないことがあります。 続ける、変える、やめるを検討せずに統合すると、散らばった強みと不採算の仕組みがそのまま残ります。

対象となる企業・状況

制度や技術の変化を機に業界の再編を構想する企業、複数の買収を事業基盤の強化につなげたい投資家や事業会社に向けたサービスです。

  • 事業構造の転換を急いでいて、成熟企業のM&Aに加えて、新しい領域への投資を迫られている。
  • 社内の投資基準が確実性を前提に作られたままで、構造の変化に賭ける投資を判断できない。
  • 業界の標準や認証の形成に関わりたいが、買収計画とどうつなげるかが決まっていない。

サービス概要

  • 政策や技術の変化が業界のバリューチェーンと競争の構造に与える影響を分析し、再編を通じて作るべき事業基盤を定義します
    • 買収候補を評価する観点と優先順位、複数の企業を順に取得して統合するロールアップが成り立つ条件、統合後の事業モデル、価値向上の優先事項を検討し、再編戦略としてまとめる
    • 法務・財務・税務の調査は本サービスに含まない。各分野の専門家と分担して進める
  • 再編後の業界の姿を仮説として立て、そこから必要な機能を決めます
    • 制度・技術・商流の前提がどこで変わるかを仮説として立て、変化の後に重要になる機能、顧客基盤、技術資産を見定める
    • バリューチェーンを見渡し、変化の後に需要が集まる工程と、その工程を買収と統合で確保する合理性があるかを問い、共通にする機能と各社に残す強みを分ける
  • 候補は、戦略への適合と買収の実行可能性を分けて、段階を追って絞ります
    • 候補企業の一覧から評価対象を選び、事業規模・財務の健全性・関連事業への関与実績で一次候補に、保有する機能の補完関係・株主構成・グループとの親和性で最終候補に絞る
    • 評価の軸は、戦略への適合、保有する機能の補完関係、取得の条件、統合の難しさ、競争優位への寄与。1つでも該当すれば見送る項目と、加点する項目を分ける
  • 構造の変化に賭ける投資は、確実性を買う投資とは別の手順で判断します
    • 承認は段階の切れ目ごとに行い、取得の順序と見送る条件を先に決める

提供価値

01再編テーマと形成すべき事業基盤

制度・技術・商流の変化から再編後のバリューチェーンを見て、下流に原資があるが上流が不確実な工程の詰まりから統合の核を見定め、取りに行く事業基盤(機能・顧客基盤・技術資産)を定める

変化によって新たに重要になる機能・顧客基盤・技術資産を定め、どの事業基盤を取りに行くかを判断できる定義です。

  • 制度・技術・商流の変化と収益機会の分析、再編後のバリューチェーンと主要な企業の配置を含みます。
  • 再編テーマごとに、今の業界に何が欠けていて、なぜ埋まっていないのかを添えます。経営が「なぜ今か」を説明できる形にします。

02候補ごとの戦略適合性・補完関係・主要リスクの比較

候補を共通基盤への載せやすさと獲得する機能の重要度で置き、統合の核にする候補、後から加える候補、見送る候補を分けて取得の順序を決める。ロングリストはスクリーニング、ショートリストは相性で絞る

統合の核にする事業と後から加える事業を分け、取得の順序を判断できる比較表です。

  • 評価の基準、一次候補と最終候補、候補ごとに事業価値への寄与と取得・統合上のリスクを分けた表をお渡しします。売り手の株主・経営陣の意向と取得の条件は、別に扱います。
  • 評価の軸に重みと点数を付け、見送る項目と加点する項目を分けます。リスクは深刻さと起きやすさで評価し、契約で手当てする、買収前の調査で確かめて買収後も監視する、受け入れる、の3つに分けます。

03統合・価値向上シナリオ

統合後は共通基盤に統合する機能の上に各社の維持する独自性を置き、シナリオごとに投資負担と実行順序を定める。付帯サービスは単体のP/Lと波及価値で評価し、継続・変更・廃止を比べる

共通にする機能と各社に残す強み、投資の負担、実行の順序を定め、統合後に何が変わるかを示すシナリオです。

  • 買収対象の中の付帯サービスや独自の仕組みは、単体のP/Lと、顧客や他のサービスへの波及で評価し、継続、変更(縮小・集約・オンライン化)、廃止の案を比べます。
  • 複数のシナリオを統合の形ごとに試算し、上振れと下振れの幅を示します。

04段階的な取得・統合の計画と投資判断基準

統合の核から取得し、各取得の前にステージゲートと見送る条件を置く。探査フェーズと事業構築フェーズは予算も分け、移行期間を事前に設定する。追加投資・Exitは現時点の実績評価と将来価値の相対評価の2軸で検討する

取得の順序と見送る条件、段階の切れ目、投資後の監視と追加投資・売却の目安を定めた計画です。

  • 候補を見極める段階と、取得して統合する段階を分け、予算も分けます。次の段階に進む期限を先に決めます。
  • 追加投資と売却・撤退は、今の実績の評価と、将来価値の相対評価(他の案件と比べて資源を投じるべきか)の2つで検討します。

お客様に残る組織能力

  • 再編後の業界の姿を仮説として描き、そこから取りに行く機能を決める進め方。
  • 候補を同じ基準で絞り直せる評価基準の文書と、候補を事業価値への寄与と取得・統合上のリスクで比べる表。
  • 成長のための投資に専用の意思決定の手順と会議体、投資後の監視と売却・撤退の判断をあらかじめ設計する書式。

TASPAの特徴

買収候補の財務指標だけでなく、業界構造の将来像から必要な機能を逆算します。複数の企業を束ねた後に何が変わるのかを、統合する機能、残す独自性、運営の主体、実行の順序まで具体的にして評価します。

  • ルールや標準の形成に関われる位置を優先します。 制度や規制に働きかけられる場合、評価の基準や調達の形を先に作った側が標準になりやすいためです。製品の戦略と、制度への働きかけの戦略を、1枚のロードマップに置きます。
  • 効率化の対象にする前に、その事業を続ける価値があるかを判断します。 統合対象の事業ごとに、続ける、変える、やめるを並べて比べます。顧客への波及など、直接P/Lに出ない価値もできる限り数字にします。
  • 投資判断の書式と会議体は、実際の案件を回しながらお客様の中に根づかせます。 マニュアルを渡すだけでは機能しません。候補探しの段階から事業部門を巻き込み、担当者が決まることを投資実行の条件に置くことを提案します。
  • 統合後の業務と組織の設計は、実行の進め方まで引き継げます。 AIを前提にした業務改革の構想や、組織再編の進め方につなぎます。

アプローチ

支援プロセス全体図。業界構造変化の分析、形成すべき事業基盤の設計、候補の評価観点と取得順序の検討、統合・価値向上シナリオと実行計画の策定の4段階を列に、主な確認事項・実施内容・主な成果物・判断の観点を行に置く

ご支援アプローチ詳細

  1. 業界構造変化の分析
    • 主な確認事項:業界の今の価値提供は、どの制度の前提と過去の実績に立っているか。その前提が変わる場所はどこか。
    • 実施内容:前提が変わる場所の仮説を3〜5個立てる。バリューチェーンを領域と機能ごとに整理し、主要な企業と「誰が何を負担し、何が不確かか」を可視化。工程の間に生じている課題の抽出。
    • 主な成果物:前提が変わる場所の仮説一覧、再編後のバリューチェーン、工程間の課題の一覧。
    • 判断の観点:前提が変わる場所ごとに、再編の機会になる理由を説明できるかで判断します。
  2. 形成すべき事業基盤の設計
    • 主な確認事項:どの機能を共通にし、どの強みを各社に残すか。統合後の事業はどの型で収益を生むか。
    • 実施内容:再編テーマの定義。再編後の事業への収益モデルの当てはめ。共通の基盤に統合する機能と各社に残す機能の仕分け。投資方針(目的、時間軸、1件あたりの投資額)の設定。業界の標準や認証の形成への関与を再編テーマの一部として位置づける。
    • 主な成果物:再編テーマと事業基盤の定義、共通化と残す機能の仕分け、投資方針。
    • 判断の観点:自社に固有の強みを評価の軸にし、業界に共通する強みとは分けて記述します。
  3. 候補の評価観点と取得順序の検討
    • 主な確認事項:どの候補が統合の核にふさわしく、どの候補を後から加えるか。パートナーの便益は何か。
    • 実施内容:既存の接点の棚卸し。段階を追った絞り込み。評価の軸での評価と見送る項目の設定。候補ごとの事業価値への寄与と取得・統合上のリスクの整理。買収対象の付帯サービスの事業性評価(継続・変更・廃止)。
    • 主な成果物:評価基準の文書、一次候補と最終候補、候補ごとの比較表、取得の順序と見送る条件。
    • 判断の観点:一次候補は戦略への適合で、最終候補は買収の実行可能性で絞ります。重要な前提を確かめきれない案件は、未確認の事項とその影響を明示し、追加の調査、取得条件の見直し、見送りのいずれかを判断します。
  4. 統合・価値向上シナリオと実行計画の策定
    • 主な確認事項:統合後に何が変わるか。追加投資と売却・撤退は何で判断するか。経営陣が「なぜ今か」を説明する根拠は何か。
    • 実施内容:シナリオ別の価値の試算。段階の切れ目と移行期間の設定。投資判断の書式、リスク評価の書式、監視の報告書の整備。
    • 主な成果物:統合・価値向上シナリオ、段階的な取得・統合の計画、段階の切れ目ごとの会議体、投資後の監視と売却・撤退の目安。
    • 判断の観点:戦略目的の投資でも、最低限の財務の成果がないと活動は続きません。早い時期に小さな成果を出し、経営陣に定期的に報告する仕組みにします。
1-4 テクノロジードリブンな新規事業開発 ←Services 一覧へ ←2-1 AI駆動型のBPR構想策定 →お問い合わせ →